議員報告・人間万事塞翁が馬

2020 議員報告


新型コロナウイルス騒動で社会が混乱する中、新人議員としての一年間を経過報告させて頂きたく一方的に手紙を送らせていただきました。この報告は全村民に向けて発信しているものではありません。あくまで今後の活動において、ご意見やアドバイスなど頂けそうな方を選抜し、お届けさせて頂きました。支援や選挙目的ではありませんので、最後まで読んで頂ければ幸いです。尚、一部の方にしかお送りしていない為、「○○さんに届けて欲しい」などのご推薦を頂ければ発送も可能ですのでお知らせください。
赤井川村議会議員になり「あっ」という間に1年が経とうとしています。任期の4分の1です。スピード感のない議会に少しイジイジした気持ちもありますが、気持ちを落ち着けドンドンと書き進めたいと思います。

最初はデイサービスセンターを含めた介護三事業の問題。
新聞報道でもご存知の通り『否決』という採決が下され、村が選定した介護事業者(白樺会)が契約直前に不成立になりました。特別委員会のジャッジは賛成3反対3の同数。ルール上、委員長の票が反対に入り、そのまま本会議において『否決』が決定されました。

否決理由は

1.白樺会が提出した資料の予算案が不適切
2.そもそも民間に委託する準備が役場側にできていないのではないか?

というものだったと思います。(いささか簡単ですが、、、)

その後、特別委員会で約半年間かけて議論を尽くしました(その内容についてはとても長くなるので僕のHPをご覧ください)が、なかなか進展は見られないまま年が明け、2月の委員会において在宅介護事業を赤井川村社会福祉協議会に業務委託、デイサービスと訪問介護事業に関しては、令和2年度に限定し村が直営し、次年度に向けて新たに事業者の公募したい、との意向が示されました。当然、これも決定ではなく、経過を踏まえ、議会の承認が必要になる為、慎重に進むことになると思われますが、停滞していたものが動き始めた気がします。

ひと昔前、子供が年老いた親の面倒を見るのは当たり前のことでした。しかし、寿命が延び、「少子高齢化」が進み、「子が親を介護する」というスタイルに無理が生じた。それを何とかする為、国は色んな法整備をし、それにより都会では介護代行する民間企業が生まれました。でも、人口の少ない町村では民間レベルでの事業が難しく、多くの自治体が事業母体として直営しているのが現状です。

直営の良さもいくつかあります。でも、利用者の立場になり、質のいい介護を受けるとなれば官より民の方が技術力は高く、フットワークの良さは何よりも魅力です。今後、ジャッジする立場として動向や選定評価の内容を整理し、利用者目線に立ち、良い環境をいち早く提供できる施設実現に働きかけていきます。
※ 少し余談になりますが、この問題が、議員1年目の最初の議案になり、とても幸運でした。議会が自治体の提案を追認するだけの機関ではないという事を知り、その現場に立ち会えた事はとてもスリリングな現場であったことを報告させて頂きます。今後の予定としては6月に新たに委託業者の公募を行い、選定作業に入ると思われます。HP等で報告はさせて頂きますが、ご意見がありましたらお伝えください。

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一般質問は12月と3月の定例会で行いました。

2月は赤井川村役場職員の人事についての質問。特に人事評価に付いては今でも疑問に思うことがありますが、新たな村長の、今後の采配をしっかりと見ていきたいと思っています。

3月の定例会では体育館の老朽化と、道の駅の今後について質問をさせていただきました。道の駅の問題は、選挙中も色々と不安視した声を住民の皆様から聞いていたので、色々と突っ込み処はあるのですが、経営に関する質問は指定管理の特質上できない為、住民の方々が思う期待通りの質問ができませんでした。ただ、この後、総合戦略の策定委員会にて住民の声を聞きながら、より多くの方が利用して頂ける施設の充実を目指すと回答を頂けたので注目していきたいところです。尚、一般質問の内容は赤井川村広報で紹介されますが、再質問の掲載はない為、詳しく知りたい方は私のホームページをご覧ください。

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今後のことも何点かお伝えしておきます。

先ずは先ほど書いた『道の駅』ですが、議員の立場も利用し、道の駅の効率的で持続的な運営を高める為のプロジェクトを事業者及び観光協会と協議したいと考えています。ご存知の通り、色々と難しい位置にある道の駅です。そう簡単に動き出すものではありませんが、粘りっこくアプローチして行きます。

教育問題においては小中一貫校の検討を進める要望をしていきます。地域住民の反対が目に移りますが、単に小学校と中学校を組織として一緒にすると言うことではなく、義務教育9年間を連続した教育課程として捉え、児童生徒・学校・地域の実情等を踏まえた具体的な取組内容の質を高めることが目的で、分離型や一体型、保育所も含めて13年間の赤井川村教育制度の改革を再検討する良いタイミングだと考えています。

そして、もう一つ。『次世代農業者プラットフォーム』の開設。
各農家が独立して農業経営を行うことは今後も変わることはないと思いますが、大手企業による農業プランツや巨大産地に対抗するためには、情報共有が必要だと考えます。用途は多岐にわたる為、詳しくは紹介できませんが、労働者、農機具、農薬においても的確な情報共有が村独自ででき、経営においても効果的かつ効率的な連携をはかるツールの開発。次世代が情報を集約しメイドイン赤井川とワンチームの精神を持つことが今後の赤井川村の農業の発展につながると信じています。

議会改革も必須課題。議会活性化委員会が構成され、先ずは広報の改編に取り組みました。一般質問の貼り付けだった『議会だより』を議員の思想も添加できるものに(少しは)なったと思います。議事録がHPに張り付けられたこともちょっとした前進です。議会のネット配信などもやるべきだと思いますが、先ずは30分しかない一般質問や、一問一答形式、更には住民サポータ制度の導入など、残り3年間で取り組みたいと思っています。

終わりに、20年前、これほどスマートフォンが生活の一部になると誰が想像できたでしょうか?

テクノロジーの進歩はめざましく、進歩はありとあらゆるもの概念を変えました。一方、地方を見てみるとあらゆるものが制度設計され、息を吹きかけると、目の前が真っ白になってしまうほどホコリをかぶったものまで存在しているのが現状です。スマホやパソコン、ホームページなんて話をすると、「年寄りに優しくない」とひと蹴りされそうですが、皆さんは既に分かっているはずです。今一番考えなければいけないのは赤井川村の将来の事であり、そして、

―――――「そこに希望が持てるか?」

と言うことではないでしょうか。その為には、古くなった制度は見直し、再構築させる必要があります。ヒーローやカリスマを待っていても現れません。チャレンジする勇気、そして行動力を持って、多くの方と一緒に汗をかきたいと望んでいます。是非、一緒に頑張りましょう!

農作業が始まると議員活動に充てる時間も少なくなりますが、住民の思いや考え、そしてこの村の進行方向だけは見間違えないようにアンテナを張っていたいと思っています。お気づきの事や要望、そしてアドバイスなど、ありましたら是非お伝えください。宜しくお願いします。

追記:コロナ騒動でこのお手紙をお渡しすることに躊躇していましたが、このピンチを乗り越えようと頑張っている職員の姿を見て、自分もひとつ前に進む必要があると感じ、お届けすることにしました。最後まで読んで頂きありがとうございます。