議員報告・人間万事塞翁が馬

2021 議員報告

 思わぬ結果で赤井川村村議会議員になり二年が過ぎようとしています。「当選した際は議員報告を行う」という事だけを選挙公約に掲げブログ選挙を戦い、見事に落選。公約を実行する必要があるのかすら悩みましたが、票を入れて頂いた44人の思いに応える為、任期の折り返しにあたり、多くの方に向けて通信をお届けさせて頂きました。長くなるので興味のある部分だけでも読んで頂ければ幸いです。先ずは、自分の思いからお読みください。 

 地方社会にもっとも必要なのは柔軟さとトライ&エラー(挑戦と失敗)だと思っています。今までの赤井川村は『横並び政策』が大半で、何か特別なことは管内の先進例を探してから動き出す。まぁ、行政の立場としては、住民を守るために必要な安全策かも知れませんが、その考えがチャレンジへのネックになってはいないでしょうか。
 今年の赤井川村の予算は既に新聞でも発表された通り約25億円。特別予算も合わせると約28億円。住民一人で割ると、一人当たりの予算が、なんと約240万円。四人家族で考えると毎年1000万円ものお金をつぎ込んでこの村が動いています。「その実感はないですよね?」でも、これはまさにベーシックインカム(簡単に言えば生活の最低保証制度)で、額だけを聞くと、これだけの予算で安心して暮らせる村づくりができないわけがないのです。
 だから、もっとも大切なのはお金の配分。そして、二番目が、日本と言う国でこの村の可能性をしっかりと認識して役割を考えることではないでしょうか。
 1月9日、北海道新聞の社説には分散型社会を目指すなら国の号令を待ち続けるのではなく自治体が地域の将来像を描くことが大事とありました。「赤井川村の未来を、そして、村の役割を想像したことがあるでしょうか・・・?」
 地味かもしれないけど、私は『防災の村』が一番しっくりくる役割だと思っています。
少し怖い話をすれば
気象庁は2050年までに風速90メートルの風を伴った台風が日本に上陸すると言っています。二年前、千葉を襲った台風は記憶に新しい所ですが40メートルの風が吹いても、あれだけ電柱が倒れ、家の屋根は吹っ飛ぶのに、90メートル級の台風が来たら都市は完全崩壊です。また、10年前、東日本を襲った大地震を調べた地震学者は2030年までに西日本(南海トラフ)大震災が発生する確率を70%と言いました。台風に地震、そして、新型コロナウイルス、想像したら本当に恐ろしい三重苦です。
 そんな未来予想の中、国内で比較的防災に強い場所を考えれば、この村の価値は高い。色々と調べてみると根拠も見つかるのではないかと思っています。
 残った二年の任期、防災の村も含め、赤井川村の役割も追求しながら、議員活動に努めて行きたいと思います。(後半に続く)

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●議員報告について:唯一の選挙公約である『議員報告』は私のホームページをご覧下さい。ただ、ネットでの報告だけでは不十分と思い、昨年もこのタイミングで一回報告をさせて頂きました。議員報告は既に行われた議会を振り返ったり、今後のことを考える良い材料になっています。赤井川村議会議員の月報酬が約18万円。報酬に見合った活動として充分だとは思ってはいないが、議員の様子を少しでもお伝えする為に大切な活動だと思っています。

●目標:前回の選挙中、もし議員になったら行いたい10の夢を書かせて頂きました。その内、現在、8ぐらいは村にアプローチしています。叶う・叶わないの判断は理事者の考えや財政的な事情もありますが、叶わなかったから終わりと言うことではなく、任期中は粘りっこくアプローチしていこうと考えています。

●一般質問:一番簡単なアプローチの仕方に一般質問があります。簡単にタイトルだけ紹介しておきます。詳しい内容は、私のHP(スマホ利用の方の為にQRコードをご利用ください)をご覧下さい。

2020年06月定例会 コロナ禍における教育行政執行方針の変更及び対策について
          ネット環境整備とギガスクール構想について
          小中一貫を見据えた連携教育について

2020年09月定例会 6次産業化について
          村のHPについて
          さくらの森公園について

2020年12月定例会 防犯カメラについて
          図書コーナーについて

2021年3月定例会 コロナ禍での村の舵取りについて

●一年目はデイサービスの業務委託の問題、二年目はコロナ対策で、議員活動も多くの時間を使うことになりましたが、就任して真っ先に要望した『村内全域光ケーブル整備』そして今年、コロナ禍における『授業環境の整備』は、国からのコロナ対策費を利用して整備することができました。年内には光ケーブルの利用と、小中学校ではエアコンの利用が始まります。恥ずかしながら、これは僕のお手柄と言えるものではありませんが、村の価値が上がったことは言うまでもありません。

●『議会だより』を含めた広報活動の刷新は、能登議員・辻議員を含めた三人と事務局の協力を得ながら進めています。『議会だより』のボリュームがかなり増えたことをお気付きの方も多いと思います。本来は別冊を作るべきだと思いますが、現時点では限られた予算の内で可能な限り分かりやすい『議員だより』を作っていきたいと考えています。

●村の課題:中央バスの撤退に伴う公共交通の件はご心配されている方も多いと思います。現在、副村長を中心に検討が行われています。村長からは「現状より悪くなることはない」と頼もしい発言もありましたが、現状を踏まえ持続可能な交通網の確立に向けて今後の行方を見守りたいと思います。

●村の課題2:カーボンゼロを目指す赤井川エネルギービジョンには構成員として参加させて頂きました。二年目は小水力発電と地熱エネルギーの調査が始まります。カーボンニュートラル(CO2排出量と吸収量を同じにするという考え)も村の役割のひとつだと思っています。更に一歩進んだ事業になるようにしたいと考えています。

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 勇気を出して言えば、住民の皆様ももう少し村政に興味を持ち傍聴に来てもらえないでしょうか。完全にマンネリしている議員もいて緊張感が感じられない。寝てる議員は論外ですが、下調べのない議員、勉強不足の議員など、議員二年目の私が言うと批判の的でしょうが、我々を野放しにするかどうかには、住民側にも問題があります。
 議員報酬の問題もそうですが、議員それぞれのポテンシャル(備わった能力)だけで議員活動して本当に大丈夫でしょうか。
 新型コロナウイルスは時代を早めました。色んなものが急速に変わろうとする時代、今のままで良いとは思えない。
 一番必要なのは若者へメンバーチェンジと学びなのです
「異論を唱える文化を作る為には人材の流動性を高め、多様な視点を組織に入れる必要がある」これはオリンピック委員会の森発言にふれ、Jリーグの組織改革に向けてご尽力された米田江見さんの言葉ですが、
赤井川村議会も同じ。「今の議会がダメだとか」「誰がダメで誰が良い」とかの問題ではなく、人材の流動性を高め、多様な視点を組織に入れ、学ぶことなのです。普段から心がけて身に付けた知識や技能を表現する言葉として素養と言う言葉を使いますが、個々の素養を持ち寄ることが、議会の活性化と、議員活動の可視化につながると思います。

「長く続けるコツはお喋りになりすぎないこと」という助言を受けたことがありますが、私はそう思いません。気付いた人から言う、出来る人から動く、批判されても臭いものに蓋をすることはやらない。


この村の為の可能性はまだまだあります。それに気づき、発信し、変えていくためにも二年後の選挙には多くの若者の参加が必要です。