議員報告・人間万事塞翁が馬

一般質問2021年度12月定例会
2021年12月の定例会で行った一般質問の紹介です。
今回は過去にない(赤井川村議会史上)もっとも長い質問だったのではないでしょうか?
純粋にスポーツに打ち込む子供達を想像し、子供達を思う気持ちを言葉にすると、どうしても外したくない内容や、愛情を込めた言葉、選びきれない事柄が多かった為です。要望が中心になったことは『一般質問のルール上』褒められた内容ではないことは充分わかっています。また、本来は村長の考えをお伺いしたかったのですが、まぁ、これもルール上、致し方ない判断です。
それにしても、教育長の言葉があまりに軽くて残念な思いです(反論はあるでしょうが、、、)過去にも、言葉の整理ができていなかったり、内容があとから変わっていたりと、村の教育行政の長として、コロナ対策や小中一貫を見据え、言動、采配がとても心配です。
とは言え、教育行政としては、色々な難局を超えていかなければなりません。任期中は注視しながら、子供達へのもっとも最良な機関として効率的な活動を働きかけて行きたいと思っています。
尚、2022年2月10日現在、12月定例の議事録が出来上がっていない為、教育長の回答は要約になります。議事録の掲載を待って書き換える予定です。ご理解ください。

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教育行政の中でも学校教育に対しては特色や個性を出すのはとても難しいものです。それは法のもとにひとしく教育を受ける権利(26条1項)が認められている為で、都会だろうが田舎だろうが等しく教育を受けられるという理念に守られています。

しかし、全国にある各学校は教育に地方独自の特色を出す努力をされているのではないでしょうか。自然・経済・環境(地域性)など、それぞれが地域が抱えるテーマが学校全体に浸透し、子供達の成長に影響を与えるものだと考えています。そういう意味では赤井川村の学校教育には都会にはない魅力や、自然の中でしか発見できない可能性があると言ってもいいでしょう。

そんな赤井川村で育ったひとり(女性)が11月17日の北海道新聞(地方欄)に紹介されました。
バイアスロンでオリンピックを目指す福田光選手。
自衛隊教育学校に所属し、現在北京オリンピック出場を目指し海外を転戦しています。これからのレース結果次第ですが、オリンピック候補として頑張る彼女の活躍を楽しみにするとともに、出身者として特別な思いで応援していきたいところです。
今回の一般質問では、福田選手を始めとし多くの優秀な選手を生み出したクロスカントリースキー少年団と、それ以外のスポーツ活動団体(青少年)にもスポットを当てて、ご紹介と問題点、更には要望を含めて質問させて頂きます。

〇 先ずはクロスカントリー少年団に付いてです。

1.ご存知の方もおられるかと思いますが、私が指導者として関わった10年、9年連続9名の選手が全国中学校スキー大会に出場しました。関わって頂いた全ての先生、そして父母の皆様のおかげであることは自明なことですが、この間、時代の大きな変化と供に少年団の姿が大きく変わることとなりました。
一番大きな変化は教員の関わり方でしょう。
2015年ごろから教員の過重労働が見直され、2019年には加速度的に働き改革が進み、放課後の活動や中学生の部活動の形態や質が見直されました。当然、教師の役割は多岐にわたり複雑です。更に、努力は多忙を生みます。それらを軽減し本来ある教員としての仕事、特に授業を充実させるためには仕方がない判断だと理解しています。ただ、その分、少年団との繋がりが薄くなり、活動は練習時間を制限するか、保護者の負担を増やすかのどちらかを選択する事を余儀なくされました。
現在、保護者が中心になって活動するクロスカントリースキー少年団をどのように見ているか、更に、このままで良いのか?教育長の率直な考えをお伺いします。

2.指導にも一定のルールは必要で、特に成長期における身体的付加はその後の健康にまで影響を与えるものです。だから、指導には知識や経験が必要なことは言うまでもありません。指導者の満足だけを生徒に転嫁させたり、親の期待が過剰な練習を生み出す場面を見る機会も幾度かあり、私なりにも10年間悩みながら、選手の能力を引き出す為に、指導者の立場、知識、経験を積み上げてきました。でも、いつも根拠なき指導に不安が付きまとい、シーズンになると眠れない日が続いていたのも事実です。
当然、スポーツの指導に答えなどはないものです。ただ、抱えた問題を明確化できない原因のひとつとして組織の在り方に問題がないでしょうか・・・?

3.実際にクロスカントリー少年団という名称で呼んでいる為、多くの人はスポーツ少年団活動の一環として認知されているようです。しかし、実際に少年団とは名ばかりで日本スポーツ協会への登録はない。つまり任意の団体という事です。
日本スポーツ協会はスポーツ少年団に対し「スポーツを通して青少年のこころとからだを育てる組織を地域社会に、、、」と言うスローガンを掲げています。指導者の育成や発掘もそうですが、安全性、食事指導、他団体との連携など活動は多く、それらが基礎となし、指導者同士の連携、生徒と指導者の信頼、そして親との円滑な運営がなされるものではないでしょうか。
既に、私もこの問題とは幾度となく向き合ってきました。過去には教育委員会としても検討した経過があると聞いていますが、ここ数年の時代の変化と供に、このまま「なるようになる」と放置して良いのでしょうか・・・?過去の活躍を鑑み、持続可能な団体としての見通しが必要な時期にきていると思いますがいかがでしょうか?
次に『相対的なスポーツ少年団の活動』に付いてお伺いします。

〇 15年前、小学3年生以上を対象に陸上サークルと言う団体を創設しました。当初はクロカンを行う生徒たちの夏場のトレーニングの一環として作ったものですが、その後、熱意のある指導者に恵まれ、その中から全国大会に出場する選手が出たことは記憶に新しい出来事です。
陸上サークル以外にも卓球、バトミントン、野球、サッカー、アルペンスキー、武道などが時限的に発生し、親の熱意と赤井川村で育つ子供達の素直さで、結果、素晴らしい成果を残していると記憶しています。子育てする親は、自分の経験を生かした多種多様なスポーツをする機会を求めるものです。生徒数が少ない為、不安定な活動の中で増減を繰り返しながら続けています。「やりたい親がやりたいようにやらせておけばいい」と言うのでは村づくりとしては残念な気がしてなりません。村の独自の教育行政として一歩踏み出して考える必要があるのではないでしょうか・・・?

1.日本スポーツ協会は、中学生以上は単一型、小学生には複合種目型のスポーツが理想だと示し、トレーニング、休息、栄養の三要素を兼ね、走る、飛ぶ、投げる、蹴るなどの基本動作を学ぶ活動を求めているのです。理念に近づけるのには様々な課題はありそうですが、持続可能なスポーツ組織があれば、それが赤井川村の魅力となり「赤井川村で子育てがしたい」と思える原動力になるのではないでしょうか…?

2.特色ある教育行政は村の魅力となり住民の人口にも影響を与えます。
国は少子化対策としてばらまきとも思えるような経済的支援がなされているのに対し、
「経済支援ははたして効果があるのか」と言う問題を、医師であり統計学や公衆衛生学を学んだハンスロスリング氏の名著『ファクトフルネス』の中で、所得が増加し経済的な有利性が生まれると子供の減少を招くのだと数字(ファクト)を持ちいて力説しています。
村の課題として、子供の出生数を増やすには限界がある。ただ、赤井川村で子供を育てたいと思う人を生み出す可能性は無限です。教育行政の範囲を超えた内容が含まれますが、学校統合を見据える前に、共動で地域の子供達を育てるという観点からも着手していく作業だと思います。如何でしょうか…?

〇 最後に、指導者として一線を退いた私だからこそ言えるクロスカントリースキー少年団の現状を紹介しながら小中学生が行うスポーツ活動の改善点を紹介させて頂きます。
村のご協力もあり盛大に行われるカルデラ赤井川クロスカントリー大会。実際に管内で一番大きなトロフィーが並び、管内一たくさんの景品を出し。餅まきまでして頂き、関わるものとして心から感謝しています。しかし、現実を見るとクロスカントリースキーは経済的な負担を家庭に付加し、とりまく沢山のボランティアの協力を得て成り立ってきました。
ただ、それにも限界があります。
昨年購入して頂いたコースを作る為のスノーモビルすら決まった格納場所がなく、夏場は個人が預かって貰ってる状態です。更に細かく見ていくと、スキーの手入れをする場所はどさん子農産センターの倉庫の一部を間借り。また、決まった練習コースも無いためヤドカリのように場所を変えながら行い。授業帰りに集まる生徒(特に中学生)は、勉強道具を入れたカバンや履いていた靴は雪の上に置いて練習する。練習後は雪に埋もれ冷たくなった靴を履いて帰る事もあります。また、体調が悪くなったり、ケガをしたり、寒さで震え冷たくなった身体を温める場所もない。
その為、多くの父母が練習に付き添い、安全に練習を行う為に協力し合っていますが、実は、それが負担で子供達の参加を敬遠する父母もいるのが現実です。
このような状態は設立時からあった問題だと聞いています。だから、気づいていても見ないようにしてきました。十数年前のように根性で進めていけるような時代なら許されていたものも、やはり時代とともに窮屈に思えてくるものです。
『大会の華やかさと日頃のトレーニング』。スポーツの世界でのギャップは当然の事です。しかしプロではない。小中学生のスポーツだからこそスマートで誰もが親しめる環境の整備が必要ではないでしょうか?
クロスカントリースキーは一部特殊な面もありますが、様々なスポーツ活動で抱えている問題点をしっかりと拾い上げ、抱えている問題を可視化し、将来、赤井川村を担ってくれる青少年の発達の為、スポーツ活動の改善を検討頂きたい。教育長のお考えをお伺いします。

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スポーツ少年団の活動について

1.教職員の関わり方
2015年ごろから教員の過重労働が見直され、2019年には加速度的に働き改革が進み、放課後の活動や中学生の部活動の形態や質が見直された。その分、少年団との繋がりが薄くなり、活動は練習時間を制限するか、保護者の負担を増やすかのどちらかを選択する事を余儀なくされた。現在、保護者が中心になって活動するクロスカントリースキー少年団をどのように見ているか?

教職員は少年団の活動に関わることは本務ではなくボランティアで行うもので、教職員と少年団は信頼関係で成り立つもの。

2.組織の在り方について
クロスカントリー少年団という名称で呼んでいるが、実際には任意の団体だ。日本スポーツ協会は「スポーツを通して青少年のこころとからだを育てる組織を地域社会に、、、」と言うスローガンを掲げる。指導者の育成や発掘もそうだが、安全性、食事指導、他団体との連携など活動は多く、それらが、指導者同士の連携、生徒と指導者の信頼、そして親との円滑な運営がなされるものではないだろうか?過去の活躍を鑑み、持続可能な団体としての見直しが必要な時期にきていると思うがいかがだろうか?

組織化に付いては前任教育長も必要があれば申し出るように各団体に声がけしているが、求める声は出ていない状況なのでニーズはないと考える。


3.持続可能なスポーツ少年団の創設について
日本スポーツ協会は、中学生以上は単一型、小学生には複合種目型のスポーツが理想だと示し、トレーニング、休息、栄養の三要素を兼ね、走る、飛ぶ、投げる、蹴るなどの基本動作を学ぶ活動を求めている。村の独自の教育行政として一歩踏み出して考える必要があるのではないだろうか?学校統合を見据える前に共動で地域の子供達を育てるという観点からも着手して欲しい。持続可能なスポーツ組織があれば赤井川村の魅力となり「赤井川村で子育てがしたい」と思える原動力になるのではないだろうか…?

スポーツ少年団に付いては学校や行政がその活動を決めてリードすることは、社会教育、スポーツ少年団の主旨にあるべき姿と離れるものであり、特定の団体に限定した支援は教育委員会として行うべきではない。

4.改善
『大会の華やかさと日頃のトレーニング』スポーツの世界でのギャップは当然の事だ。しかしプロではない。小中学生のスポーツだからこそスマートで誰もが親しめる環境の整備が必要ではないだろうか?クロスカントリースキー少年団を始め、様々なスポーツ活動で抱えている問題点をしっかりと拾い上げ、抱えている問題を可視化し、将来、赤井川村を担ってくれる青少年の発達の為、スポーツ活動の改善を検討頂きたいが教育長の率直な考えをお伺いしたい。

各団体の自主性を尊重しながらその活動を応援するというのが本村の基本方針である。

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本当に良いんですかね~。
「特定の団体に限定した支援は教育委員会として行うべきではない。」なんて、、、。

今回の件でも、モビルの管理や学校の通学規則に関わる問題も回答の中で疑問を逆なでするような発言があり、実は「突っ込み処が満載」なのですが、現在のクロスカントリー少年団の活動に影響を与えるといけないので止めました。
間違いなく現在のクロスカントリー少年団は村と教員と教育委員会が作り上げたものです。それを「繋いで」、「繋いで」来たのが現実で、時代が変化したら、それに対応させる必要があるのです。
ボランティアに任せて、あとは「知らない!」じゃ、あまりに冷たいですよね。
―――「村長!」

この問題は簡単に前に進むとは考えていないので、他団体の意見も聞きながら、今後の『村づくり』として必要な課題を提示して行けたらと思います。

特に子供を持たれる父母の皆様でご意見がありましたら遠慮なくお伝えください。