一般質問2022年度3月定例会
最近流行りの言葉に『イノベーション』という言葉があります。地方に行けば行くほど新しいものを受け入れると言ったイノベーションを受容するのに苦労しているようですが、赤井川村公共交通バス購入費のガバメントクラウドファンディングの達成や、ふるさと納税の躍進、また、都市や企業との交流の中で生まれた支援など、赤井川村の行政の成果が残り、明るい話題としてしっかりと評価すべきではないかと感じています。
今後も国や道の方針に乗り遅れることなくイノベーションを受容し、上手に活用してもらいたいと期待しています。
私事ですが、数週間ベットの上で生活する事となり、この機会にと過去の赤井川村の総合計画を全部読み返してみました。すると、やはりこの村の一番大きな課題は、昔も今も「人口減少をくい止めるということが柱かなぁ」と感じてます。単純に人口減少を止めるには、子供がたくさん生まれ、お亡くなりになるお年寄りを増やさないという事になりますが、日本ほど成熟した社会では、医療の発展とともに平均寿命は上がるものの出生率は下がると、以前に紹介したファクトフルネスの著者(ハンス・ロスリング)はデーターを持って解説しています。つまり、様々な行政的支援を積んでも人口減少は進むものを前提にとり組まなければなりません。

その難局に向かう為にどうしたら良いでしょうか・・・?
可能性の高い答えとしては他所(よそ)から住民を連れてくるということでしょう。
私が移住してきた30年前は、どこか『よそ者』という扱いを受け、残念に感じる時が多々ありました。しかし、最近はその『よそ者』の事を選択的土着民と呼ぶようで、自分の意志で、自ら望んで村に住む者たちは、村社会の関りや関係性、そして村の将来に対し強く関心を求め、村の発展のキーパーソンになっている事例も目立ち始めています。まさに村のイノベーションですが、今後の村の課題を解決する為にはそんな『選択的土着民に好かれる村づくり』が必要になると考えます。
今回はその選択的土着民に好かれる村づくりにつながる三点について村長に質問させて下さい。

*************** 通告書 ***************
1.『地域おこし協力隊について』 答弁者 村長
● 総務省の資料によると、令和2年度地域おこし協力隊の隊員数は全国で5464名、受入れ自治体は1065となっています。 国は令和6年度に隊員数を 8,000 人に増やすという目標を掲げ、令和4年度予算概算要求に一昨年度予算の3倍に当たる6億5千万円を盛り込む方針となっています。
地域おこし協力隊は任期が最長3年、地域への協力活動を行いながら移住定住を図る取り組みで、隊員の活動に要する経費は、国からの特別交付税措置がなされ、自治体にとっては大きなメリットのある制度です。
一時、隊員の活動内容が煩雑に扱われ評判を悪くし、隊員数が伸び悩む時期もありましたが、近年、自治体の対応も見直され、田舎志向やコロナ禍需要の高まりが拍車をかけ、隊員希望者もかなり増えてるようです。自治体によって取り組み方に大きな差がある制度ですが、有効的に利用されている地域にとっては移住定住を呼び込む強い原動力になると考えます。そのような地域おこし協力隊について幾つかお尋ねします。

1.地域おこし協力隊に対しての基本的な方針とこれまでの取り組み。
2.過去の実績(人数・男女比・活動内容・定着数)
3.募集の要件や募集にかかる費用。
4.今後の計画と可能性。(具体的に今後数年間の目標人数など)

2.『新規就農者について』 答弁者 村長
● 新規就農に関して言えばより強い積極性を持つ選択的土着志向のある方だと考えます。政府は新規就農者育成総合対策費として令和4年度予算概算要求236億円で、認定新規就農者の経営開始資金として最大1000万円を支援(1000万円のうち全額無利子融資の上、その償還金を国と地方が支援)すると発表。その他、道の支援や村の支援、子育て支援や村独自の住宅支援などを活用すると、私が入村した30年前と比べると、かなり手厚い支援でスタートアップ資金を確保し、農業を始めることができそうです。
また岸田総理大臣は「半農半Xという働き方の支援など多様な農業者が安心して生産できる農業の構築取り組む」と1月26日の衆議院予算委員会で、新たな農業形態を後押しする考えを示し、農業と地域おこし協力隊や、農業とアーティスト、農業とプログラマーなど、かなり柔軟な発想と、柔軟な施策の必要性を地方に期待する声明を打ち出しました。これらの事を踏まえ新規就農者対応についてお尋ねします。
1.新規就農者に対する村の基本的な方針とこれまでの取り組み。
2.過去の実績(人数・定着率)
3.募集の要件や募集にかかる費用。
4.今後の計画と可能性(具体的に今後数年間の目標人数など)

3. 『選択的土着民の住まいについて』 答弁者 村長
● 選択的土着民が最初に抱える問題が住まいです。一昨年の新規就農者受け入れ時にもかなり苦労したと聞いていますが、今後、地域おこし協力隊、新規就農者、更には移住予備軍として田舎志向の強い短期労働者への住宅の確保に付いて、今後のどのように取り組んでいこうとお考えかお伺いいたします。
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村長からの回答 (議事録より)

まずは、地域おこし協力隊についてです。
1点目の地域おこし協力隊に対しての基本的な方針とこれまでの取組についてお答えします。基本的な考え方としては、これからの地域コミュニティーの維持形成に重要であるという認識に立ち、地域おこし協力隊員制度を活用しております。これまで道の駅開業を契機に地域おこし協力隊員設置要綱を制定し、道の駅運営スタッフ活動を主とする業務とそれ以外では、ふるさと納税募集やPR業務、地域の情報発信活動を担うスタッフとして採用し、現在に至っているところであります。
2点目のこれまでの実績についてですが、平成26年10月に地域おこし協力隊員として1名を委嘱して以後、隊員として任期を終えた方が9名、現在活動中の隊員が2名、男性1名、 女性1名がおります。隊員を終えた9名、男性5名、女性4名のうち、8名が道の駅運営ス タッフとして、1名は役場内でふるさと納税や地域情報発信業務を主に引き続き活動をし ておりました。今日現在4名が地域おこし協力隊員をきっかけとして任務終了後も村内に 定住しており、定着率は44.4%となっております。令和2年1月に公表されている総務省の 調査結果では、活動地と同一市町村内に定住されている割合が50.8%とされていることから、全国平均的な定着率であると認識しております。
3点目の募集の要件、募集に係る費用ですが、募集については総務省から出されている地域おこし協力隊員の推進要綱に基づき、活動内容を明示して、一般財団法人地域活性化センターが運営する全国的な地域おこし協力隊員を募集するJOINのホームページと赤井川 村のホームページで募集を展開しております。過去においては、首都圏で開催される地域お こし協力隊募集フェアに参加したこともありますが、最近の募集については特段特別の費 用を要しておりません。
4点目の今後の計画と可能性ですが、年々増加する農作物の有害鳥獣被害へ対策を進め るため、新たに1名の地域おこし協力隊員を活用すべく関連予算を計上させていただきました。この協力隊員には、有害鳥獣の駆除業務をはじめ、被害調査活動や適切な処分方法に ついても産業課職員、関係協議会と一緒に活動を進めてもらい、隊員活動終了後も有害鳥獣 の駆除や利活用につながる活動をしてほしいと考えております。今後の可能性という点で は、現在の就農研修制度とのバランスを考慮しながら、新規就農を希望する都市部の人材については、協力隊制度を活用して受け入れることができないか、また遊休化している山村活性化支援センターの有効活用を進める上で、地域商社活動など協力隊制度の活用可能性も 視野に検討を進めていく考えであります。なお、現時点での目標人数は特に定めておりません。

続いて、新規就農についてでございます。
1点目の新規就農者に対する村の基本的な方針とこれまでの取組についてですが、村では平成7年に新規就農者育成に関する条例、規則を 制定し、基本的に条例等に基づく受入れを行っています。その間、研修受入れ時の年齢、就農時の営農面積などの受入れ要件、研修中、就農後の支援内容も時代とともに適宜見直しを行い、社会情勢の変化に応じて受入れ態勢の改善充実を図ってまいりました。今後においても、2年間の研修を基本に着実に定着に結びつくよう、研修生農業実習受入れ農家や生産組織、JA、農業委員会、農業改良普及センターなど関係機関との連携をより一層密にして新規就農受入れを進めてまいりたいと考えています。
2点目の過去の実績に関しては、条例制定後23名が新規就農しており、村の補助事業などで定義する就農後5年以内の期間で離農した方はいらっしゃいませんが、それ以降諸事情 により3名が離農されています。5年目以降の定着率では87%となっています。
3点目の募集に係る要件、費用、4点目の今後の計画などについてですが、研修要件は今後も条例、規則に沿って募集し、状況と必要に応じて基本を維持しつつも柔軟に対応したいと考えています。毎年度の募集に当たっては、村ホームページや村窓口での直接相談、年3回村内で開催する現地受入れ見学会、全国、全道の農業人フェアの参加を計画し、必要経費を予算措置しております。また、国の新規就農支援措置も令和4年度から大きく変更となり ます。村内で新制度適用となる令和5年度就農予定者の対応に関しましては、国費事業の具体的な制度詳細を把握した上で、村独自制度との兼ね合いも含め総合的に検討し、対応したいと考えています。
コロナ禍という不安定な社会、経済状況ではありますが、今後におきま しても毎年2名程度の研修受入れを目標に受入れ態勢、研修内容の充実、優良農地の確保と 就農後の定着に必要な対策を講じてまいります。

続いて、選択的土着民の住まいについてであります。
村としては、長期間の空き家が発生しないよう、村が管理する住宅や民間賃貸住宅を優先的に活用しつつ、住宅資源である民間 空き家や老朽化は進んでいるが、手を加えることにより活用可能な村が所有する住宅の活用の可能性について具体的な検討を進め、少しでも課題解決が図られるよう取り組みたい と考えております。


再質問として募集に対する姿勢をお聞きし、協力隊の活動レポートが最近出されていないことを指摘しました
。それに対し、協力隊の受け皿に応じた募集が必要で、(今年は鳥獣駆除)目的を持って協力隊を募集するという回答と、レポートに付いては、指摘の通り、今後活動報告を広報等で行っていくという内容のご回答を頂きました。

また、半農半Xの事例や就農と離農の今後の見通しと、老朽化した教員住宅の利活用に付いてお伺いしました。
教員住宅の件はご興味ある方も多いと思われるので、議事録から伐採すると、

教員住宅の話も議員の皆さんか らご意見いただいて、あれを活用したらどうだというご意見もいただきました。その後、内 部でも今検討していまして、方向としては新しく建てるのではなく、今空いている教員住宅を農業者の新規就農研修生用に改修を今考えたいなと思っています。

という回答が副村長からありました。

スタートは、新規就農者の住宅ではなく、協力隊や短期労働者の宿泊所の為に教員住宅の改修を要望していましたが、新規就農者の住宅を優先させるという考えのようです。
ただ、この改修に関してはまだ、協議案件であり、改修が必要な建物もあるので粘り強く今後も要望していきたいと考えています。

尚、再質問の詳しい内容は村のホームページより
くらしの情報 行政・まちづくり 議会会議事録へ進み
令和4年度 第一回定例二日目 45ページあたりから一般質問が始まりますので、興味のある方はご覧下さい。